ハウスクリーニングで開業して、道具も洗剤もそろえた。技術にも自信がある。それなのに、肝心のお客さんがなかなか来ない。開業したばかりの時期は、多くの人がここでつまずきます。
ハウスクリーニングは、看板を出しておけばお客さんが入ってくる商売ではありません。お客さんは「家の中を見せても大丈夫な人か」を慎重に確かめてから頼みます。だからこそ、最初の1年で「見つけてもらう入口」と「安心して頼める材料」を順番に整えることが大切です。
この記事では、個人でハウスクリーニングを始めた人が、開業直後から1年目にかけて最初のお客さんを集める手順を、今日からできることを中心にまとめました。
開業直後のお客さんはどこから来るのか
個人のハウスクリーニング店の最初のお客さんは、おおむね次のような入口から来ます。
- 知り合い・家族・前の職場からの紹介
- くらしのマーケットなどのポータルサイト(業者を探せる紹介サイト)
- Googleマップでの検索
- チラシやポスティング
- 不動産会社や管理会社からの、退去後の清掃などの依頼
このうち、開業したその月から動きやすいのはポータルサイトと紹介です。Googleマップやホームページは、写真や口コミがたまるにつれて少しずつ効いてくる入口です。
つまり1年目は、すぐ動く入口で仕事を取りながら、あとから効いてくる入口を育てるという二本立てで考えるのが現実的です。どちらか片方だけに絞ると、「今月の仕事がない」か「いつまでもポータル頼み」のどちらかになりがちです。
| 入口 | 動き出す早さ | 1年目にやること |
|---|---|---|
| ポータルサイト | 早い | 登録して最初の実績と口コミを作る |
| 紹介 | 早い | 開業を知らせ、名刺を配る |
| Googleマップ | 中くらい | 登録して写真と口コミをためる |
| ホームページ | ゆっくり | 1ページでよいので持ち、屋号で見つかるようにする |
| チラシ | 配った地域ではすぐ | 大掃除の時期など季節に合わせて配る |
最初の入口はポータルサイトで作る
開業直後でまだ口コミも写真もない時期に、自分の力だけでお客さんを集めるのは大変です。そこで心強いのがポータルサイトです。サイトの側が「エアコンクリーニング」「浴室クリーニング」などで探しているお客さんを集めてくれるので、登録したその日から見てもらえる可能性があります。
くらしのマーケットの手数料の仕組み
ハウスクリーニングでよく使われるくらしのマーケットは、出店者向けの案内によると、初期費用や月額料金がかからない成功報酬型です。予約が成立したときに、予約金額(税込)の20%(税抜)が手数料としてかかり、20%が2,000円に届かない予約は1件2,000円(税抜)になります。手数料には別途消費税がかかります。
はじめの集客にお金をかけずに済み、予約や決済の仕組みもそろっているのは大きな利点です。一方で、件数が増えるほど手数料の合計も増えていきます。自分が月にいくら払っているかは、くらしのマーケットの手数料計算機で件数と金額を入れると確かめられます。
手数料や規約は変わることがあります。登録する前と、その後も年に一度くらいは、各サイトの公式の案内で料金・キャンセル時の扱い・サイト外でのやりとりのルールを確認してください。ゼヒトモやミツモアなど他のサイトは、料金の仕組みがそれぞれ違います。
ポータルで最初にやること
- メニューを絞る:最初から全部載せるより、得意な場所(浴室、キッチン、換気扇、エアコンなど)を2〜3つに絞ると、プロフィールが分かりやすくなります。
- 顔写真と自己紹介を入れる:「どんな人が来るのか」はお客さんが一番気にするところです。作業着の明るい写真と、開業までの経歴を短く書きます。
- 作業時間と料金に含まれるものを書く:何時間かかるか、駐車場は必要か、追加料金がかかるのはどんな場合かを先に書いておくと、当日の行き違いを防げます。
- 最初の数件はていねいさを最優先に:口コミがゼロの店は選ばれにくいので、最初の数件で付く口コミがとても大切です。
ポータルは「最初のお客さんと実績を作る場所」と割り切って使い、そこで出会ったお客さんに屋号を覚えてもらう工夫を並行して進めましょう。
Googleマップに「掃除屋」として載る
「ハウスクリーニング 〇〇市」「浴室クリーニング 近く」のように探す人は、検索結果の地図に出てくるお店を見比べます。ここに出ていないと、探している人の候補にそもそも入りません。
自宅住所は出さずに登録できる
個人のハウスクリーニング店は、店舗を構えずに自宅を拠点にしていることが多いと思います。Googleビジネスプロフィールでは、お客さんの家に出向いてサービスをする「非店舗型ビジネス」として登録でき、住所を表示せずにサービス提供地域(市区町村など、最大20か所)だけを表示できます。登録の流れはGoogleビジネスプロフィールの登録方法にまとめています。
登録したら埋めておきたい項目
- カテゴリ(ハウスクリーニング業など、実態に合うもの)
- サービス提供地域(実際に行ける範囲だけ)
- 営業時間と定休日
- サービス(浴室、キッチン、換気扇、エアコンなど)と料金の目安
- 作業前後の写真、道具や作業中の写真
- ホームページやポータルのページのURL
ポータルで付いた口コミは、Googleマップには移せません。Googleの口コミは、直接頼んでくれたお客さんや、ポータル経由でも規約の範囲でお願いできる場面で、一件ずつ地道に集めていきます。
作業前後の写真を1件目からためる
ハウスクリーニングは、仕上がりを言葉で説明するのが難しい仕事です。「水あかもピカピカに」と書くより、同じ場所の作業前と作業後の写真を1組見せるほうが、ずっと伝わります。
開業直後は実績写真がないのが普通です。だからこそ、1件目から毎回撮ることを習慣にしてください。3か月もすれば、ポータル・Googleマップ・ホームページに載せられる写真がたまります。
撮り方のチェックリスト
- 作業前に、作業後と同じ位置・同じ角度から撮る
- 鏡や蛇口は少し斜めから撮り、水あかが写るようにする
- 換気扇やレンジフードは、外した部品を並べた写真も撮る
- 表札・郵便物・家族写真・窓の外の景色など、家が特定されるものを写さない
- 汚れた部分に寄った写真と、全体が分かる写真を両方撮る
写真を使うときはお客さんに一言
お客さんの家の写真をネットに載せるときは、作業の前に「汚れた部分だけ、お家が分からない形で実績として使わせてもらってもいいですか」と確認しておくと安心です。断られた家の写真は使わない、と決めておけば迷いません。
写真の撮り方のコツは施工写真の撮り方でもくわしく紹介しています。
「家に上げる不安」を先回りして解く
ハウスクリーニングを頼むとき、お客さんが気にしているのは汚れが落ちるかどうかだけではありません。知らない人を家に上げる不安、散らかった部屋を見られる気恥ずかしさ、高い追加料金を言われないかという心配もあります。
個人の店は、大手の名前がない分、この不安を言葉と写真で一つずつ解いていく必要があります。逆に言えば、ここをていねいに伝えられれば、個人であることがそのまま「顔の見える安心」になります。
載せておきたい安心材料
| お客さんの不安 | 先回りして伝えること |
|---|---|
| どんな人が来るのか | 作業する人の顔写真、名前、経歴、ひとこと |
| 当日に追加料金を言われないか | 料金に含まれるもの、追加になる条件、作業前に金額を確認してから始めること |
| 家の物を壊されないか | 素材に合わせた洗剤・道具の使い分け、養生(周りを保護すること)の写真。賠償責任保険に入っているならその旨 |
| ずっと立ち会わないといけないか | 作業時間の目安、立ち会いが必要な場面 |
| 子どもやペットへの影響 | 使う洗剤の種類、換気や片付けへの配慮 |
| 部屋が散らかっていて恥ずかしい | 「作業する場所だけ空けておいていただければ大丈夫です」の一言 |
女性のお客さんからは、女性スタッフかどうかを気にされることもあります。女性が作業している店なら、それ自体が選ばれる理由になります。反対に、顔や名前を出したくない事情がある場合は、手元や道具の写真、話し方が伝わる文章で人柄を見せる方法もあります。
問い合わせの返信文例
最初の返信の印象で、予約するかどうかが決まることもよくあります。たとえば次のように返すと、不安を一つずつ解きながら話を進められます。
お問い合わせありがとうございます。〇〇(屋号)の〇〇です。浴室クリーニングのご相談ですね。作業時間はおおよそ2〜3時間で、作業中はずっとお立ち会いいただかなくても大丈夫です。汚れの具合で料金が変わる場合は、作業前に必ず金額をお伝えし、ご了承いただいてから始めます。お手数ですが、浴室全体と特に気になる部分の写真を数枚お送りいただけますか。
作業時間や料金の条件は、自分の実際のやり方に合わせて書き換えてください。
年末の大掃除シーズンに向けた準備
ハウスクリーニングは、年末の大掃除の時期に依頼が集中しやすい仕事です。開業1年目でも、ここで一気にお客さんを増やせる可能性があります。ただし、12月に入ってから動いても間に合わないことが多いので、秋のうちから準備しておきましょう。
時期ごとにやること
- 9〜10月:年末用のセットメニュー(浴室+キッチン+換気扇など)と料金を決める。作業前後の写真を見直し、ポータル・Googleマップ・ホームページの情報をそろえる。
- 10〜11月:早めの予約を案内する。「混み合う前の11月は日程を選びやすい」など、お客さん側の利点として伝える。チラシを配るならこの時期。
- 11月下旬〜12月:空いている日程をこまめに更新する。埋まった日は早めに締め切りを出す。
- 1〜2月:年末に頼んでくれたお客さんにお礼を送り、次の時期の案内をする。
無理な予約は受けない
一人で回している場合、年末に予約を詰め込みすぎると、作業が雑になったり、移動が間に合わなかったりします。1日に受けられる件数を先に決めておくことが、口コミを守ることにつながります。
年末以外の山も作る
年末に依頼が集中すると、それ以外の時期は落ち着きがちです。引っ越しの前後、梅雨前のカビ対策、夏前のエアコンなど、季節ごとの困りごとに合わせた案内を用意しておくと、年間の波を少しならせます。
一度きりで終わらせないリピートの仕組み
ハウスクリーニングは、汚れがまたたまる仕事です。一度満足してくれたお客さんは、次もまた頼んでくれる可能性があります。新しいお客さんを探し続けるより、リピートしてもらえる仕組みを作るほうが、手間も費用も少なく済みます。
作業の最後にやること
- きれいな状態を保つコツを一言伝える(換気、拭き取りのタイミングなど)
- 次に頼むのにちょうどよい時期の目安を伝える
- 屋号と連絡先が分かる名刺やカードを渡す
- 満足してもらえたら、Googleマップの口コミをお願いする
次の案内は「覚えている」うちに
お客さんの了承をもらって、作業した場所と日付を記録しておきましょう。次の時期が近づいたら、「去年の年末に浴室をお掃除した〇〇です」と一言連絡するだけで、思い出してもらえます。LINEなど、お客さんが普段使っている連絡手段で、押しつけにならない頻度で送るのがコツです。
ポータル経由で出会ったお客さんへの直接の連絡は、サイトの規約で制限されている場合があります。規約に反しない範囲で、屋号を覚えてもらう工夫をしてください。
屋号で検索したときに見つかるようにする
リピートや紹介のお客さんは、名刺の屋号で検索することがよくあります。そのとき、自分のホームページやGoogleマップが出てくれば、迷わず連絡してもらえます。ハウスクリーニング店のページに載せたい内容はハウスクリーニングの業種ページにまとめています。
まとめ
ハウスクリーニングの開業1年目は、ポータルサイトと紹介で最初のお客さんと実績を作りながら、Googleマップと自分のページを育てていく時期です。1件目から作業前後の写真を撮り、家に上げる不安を顔写真と料金の条件で先回りして解き、年末の大掃除シーズンには秋から準備する。そして、一度来てくれたお客さんに次も思い出してもらえる仕組みを作る。この順番で整えれば、ポータルだけに頼らない集客の土台ができていきます。
自分の屋号のページを持つとどう見えるか試したい方には、ホームページを先に1ページ無料で試作するサービスもあります。
業種別ハウスクリーニング店のホームページに載せるべきこと→

