職人さんのホームページやGoogleマップで、お客さんが一番よく見るのは施工写真です。文章で「丁寧な仕事」と書くより、一枚の写真の方がずっと多くを伝えてくれます。とはいえ、現場で撮った写真を見返すと、暗かったり、斜めだったり、何を撮ったのか分からなかったりすることもあるでしょう。
特別なカメラは必要ありません。いつものスマホで、撮り方を少し変えるだけで、見違えるほど伝わる写真になります。
施工写真で伝えたいのは「変化」と「手間」
お客さんが写真から知りたいのは、大きく二つです。一つはどれだけきれいになるのかという変化。もう一つは見えないところまで手をかけているかという仕事ぶりです。
仕上がりの写真だけでは、元がどうだったのかが分かりません。また、下地処理や養生、配線の取り回しなど、完成すると隠れてしまう工程こそ、職人さんの腕が出るところです。撮る前に「この写真で何を伝えたいか」を一つ決めておくと、構図に迷わなくなります。
ビフォーアフターは同じ位置・同じ向きで撮る
変化を伝える一番の方法は、工事の前と後を並べて見せることです。そのときに大事なのが、同じ場所に立って、同じ向きで、同じ範囲を撮ることです。前後で角度や距離が違うと、見る人は比べにくく、変化が伝わりにくくなります。
- 工事前に撮るとき、立った位置の目印(電柱、門柱、敷石など)を覚えておく
- スマホの高さはおへそか胸の前など、毎回同じにする
- 画面に写る範囲の端に、動かないもの(窓枠、雨どいなど)を入れておく
- 工事後、同じ目印の位置に立ち、工事前の写真を見ながら合わせて撮る
工事前の写真を撮ったら、その場でアルバムに「○○様邸 前」のように分けておくと、完了後に見返して位置を合わせやすくなります。
明るさと向きで写真の印象は大きく変わる
太陽を背にして撮る
太陽や窓の光に向かって撮ると、写したいものが暗く沈みます。できるだけ光を背中側に受ける位置から撮りましょう。外壁や屋根なら、時間帯によって日の当たる面が変わるので、明るい面を選べるときは選ぶのがコツです。
室内は照明をすべてつける
キッチンや浴室などの室内は、思った以上に暗く写ります。照明はすべてつけ、カーテンも開けて撮りましょう。スマホの画面で写したい所を軽く押すと、そこに明るさが合う機種が多いです。
スマホは縦横をまっすぐに
柱や壁の線が斜めになっていると、仕上がりまで曲がって見えてしまいます。スマホのカメラ設定で画面に格子線を出せる機種なら、その線と柱を合わせると水平・垂直をとりやすくなります。
工程の写真も残しておく
ビフォーアフターに加えて、途中の工程を何枚か残しておくと、ホームページに載せたときの説得力が増します。たとえば次のような場面です。
- 高圧洗浄や下地の補修をしているところ
- 養生をきちんとしているところ
- 古い部材を外して、中の傷み具合が分かるところ
- 見えなくなる部分の補強や配線
- 作業後の片付け、清掃が終わった様子
全部を撮る必要はありません。一つの現場で三〜五枚ほど、手間が伝わる場面を選んでおけば十分です。
写り込みに気をつけたいもの
施工写真はお客さんのお宅で撮るものです。ホームページやGoogleマップに載せる前に、次のようなものが写っていないか必ず確認しましょう。
| 写り込みやすいもの | 対応の例 |
|---|---|
| 表札・郵便受けの名前 | 撮る角度を変える、または載せる前にぼかす |
| 車のナンバー | 車を外して撮るか、ナンバー部分を隠す |
| 住所が分かる看板・電柱の表示 | 画面の外に外すか、ぼかす |
| 家族の写真・郵便物・カレンダー | 室内の写真は特に注意して、範囲を絞る |
| お客さんや近所の人の顔 | 人が写らない時間に撮る |
| 近所の家の外観 | 主役の家以外はなるべく入れない |
写真を公開してよいかは、事前にお客さんに確認しておくのが基本です。「お宅と分からないようにして施工例として載せてもよいですか」と一言たずねておくと、後のトラブルを防げます。スマホの写真には撮影場所の情報が記録される設定もあるので、気になる場合は設定を見直してください。
撮った写真の整理と使い道
写真は撮りっぱなしにすると、いざ使いたいときに探せません。現場ごとにアルバムを分け、「地域名・工事の種類・月」くらいの名前をつけておくと便利です。
整理した写真は、ホームページの施工例のほか、Googleビジネスプロフィールの写真としても使えます。地図の情報に新しい写真が増えていくと、「今も活発に仕事をしている業者」という印象にもつながります。
写真を選ぶときは、枚数を増やすより、同じ現場の前・途中・後がそろっているものを優先すると、見る人に流れが伝わりやすくなります。
まとめ
施工写真は、同じ位置から撮るビフォーアフター、光を背にした明るい写真、手間が伝わる工程の数枚、そして写り込みの確認。この四つを意識するだけで、スマホでも十分に伝わる写真になります。まずは次の現場で、工事前の一枚を目印を決めて撮るところから試してみてください。
職人ウェブでは、お手持ちの施工写真やGoogleマップに載っている写真をもとに、1ページの試作を無料でお作りしています。撮りためた写真がどう見えるか、確かめる機会にしていただければと思います。