「ホームページくらい自分で作れるんじゃないか」と思って、夜にスマホやパソコンを開いてみたものの、何から手をつければいいか分からず止まってしまった。そんな職人さん・一人親方は少なくありません。
今は、専門の知識がなくても使える作成サービスがいくつもあり、自分で作ること自体は十分にできます。つまずくのは操作よりも、「何を決めて、何を載せて、どの順番で進めるか」のほうです。
この記事では、職人さんが自分でホームページを作るときの流れを、5つの手順に分けてまとめました。載せる項目のチェックリストと、つまずきやすいところ、人に頼んだほうがよい場合の目安もあわせて紹介します。費用の比べ方はホームページ費用の相場、無料サービスの注意点は無料ホームページ作成サービスで職人が困りやすいことにまとめているので、ここでは「作る手順」に絞ってお話しします。
自分で作る前に決めておく3つのこと
いきなり作成サービスに登録すると、型選びや色選びで時間が溶けていきます。先に次の3つを紙かスマホのメモに書いておくと、そのあとの作業がぐっと速くなります。
1 誰に、何の仕事を頼んでほしいか
「外壁塗装も屋根も内装もやります」と全部並べるより、「戸建ての外壁・屋根塗装が中心」のように、一番頼んでほしい仕事を1つ決めておきます。ページの一番上に何を書くかが、これで決まります。
2 どの地域から依頼を受けるか
お客さんは「地域名+業種」で探すことが多いので、対応できる市町村名をはっきり書けるようにしておきます。車で何分まで、どの市までなら行けるかを決めておきましょう。
3 連絡はどれで受けるか
電話、メール、LINEなど、現場中でも返事ができる方法を選びます。全部載せるより、確実に返せるものを1〜2つに絞ったほうが、取りこぼしが減ります。
この3つは、Googleマップの登録や名刺づくりにもそのまま使えます。屋号がまだ決まっていない方は、先に屋号を決めておくと、このあとのドメイン選びもスムーズです。
手順1 ホームページの住所(ドメイン)を決める
ドメインとは、「○○.com」「○○.jp」のような、ホームページの住所のことです。作成サービスの無料の範囲では、サービス名が入った長い住所になることが多く、自分の屋号だけの住所(独自ドメイン)は、別に取得して毎年の使用料を払うのが一般的です。
独自ドメインを取るかどうか
名刺や車、チラシに住所を印刷するつもりなら、独自ドメインにしておくと後で困りにくくなります。作成サービスを乗り換えても、同じ住所を使い続けられるからです。逆に、まずは試しに作ってみたいだけなら、最初はサービスの無料の住所で始めて、形になってから独自ドメインに切り替える方法もあります。
名前の付け方のコツ
- 屋号をローマ字にしたものが基本(例:屋号が「山本塗装」なら yamamoto-tosou など)
- 電話で口頭で伝えられる短さにする
- ハイフンは1つまでにすると、聞き間違いが減る
- 数字やアルファベットの「0とo」「1とl」のように見間違えやすい組み合わせは避ける
.com と .jp の違い
| 種類 | 取れる人 | ひとこと |
|---|---|---|
| .com など | 誰でも | なじみがあり、選べる名前が多い |
| .jp | 日本国内に住所がある個人・団体 | 日本のお店だと伝わりやすい |
| .co.jp | 日本で登記した会社(1社につき1つ) | 個人事業主は取れない |
種類よりも、覚えやすく、屋号と結びつく名前を選ぶことのほうが大事です。取りたい名前が .com で埋まっていたら .jp を探す、くらいの考え方で十分です。
独自ドメインは、更新(毎年の支払い)を忘れると使えなくなり、他人に取られてしまうこともあります。自動更新に設定し、登録したメールアドレスとログイン情報は必ず控えておきましょう。
手順2 作り方(作成サービス)を選ぶ
自分で作る方法は、大きく分けて2つあります。
| 作成サービス | WordPress(ワードプレス) | |
|---|---|---|
| どんなもの | 見本の型を選び、文字と写真を入れ替えて作る(Wix、Jimdo、ペライチなど) | レンタルサーバーを借りて、ホームページ用のソフトを入れて作る |
| 始めやすさ | 登録すればすぐ作り始められる | サーバーやソフトの設定が必要 |
| 自由度 | 型の範囲内で作る | 高いが、そのぶん覚えることが多い |
| 手入れ | サービス側がやってくれる部分が多い | ソフトの更新などを自分でする必要がある |
パソコン作業に慣れていない職人さんが、仕事の合間に1ページ作るなら、作成サービスのほうが向いています。料金や使える機能はサービスごとに違い、よく変わるので、申し込む前に必ず各サービスの公式ページで最新の内容を確認してください。
選ぶときに見ておきたいこと
- 独自ドメインを使えるか、そのためにどのプランが必要か
- 広告が表示されるか、消すにはいくらかかるか
- スマホの画面で編集できるか(現場の合間に直せると楽です)
- 電話番号を押すとそのまま電話がかかるボタンを置けるか
- やめるときに、文章や写真を持ち出せるか
迷ったら、無料の範囲で2つくらい試しに触ってみて、自分が操作しやすいほうを選ぶのが確実です。
手順3 載せる内容を、この順番で並べる
職人さんのホームページは、何ページも作る必要はありません。スマホで上から下へ読んでいくと話がつながる、縦に長い1ページで十分です。お客さんが知りたい順に並べると、次のようになります。
- 何屋さんで、どこの地域か:一番上に「○○市の外壁塗装」のように、仕事と地域をひと目で分かるように書く
- 施工写真:できれば作業前と作業後を同じ位置から撮ったもの
- できる仕事の一覧:よく頼まれる作業を3〜6個に絞って、ひと言ずつ説明
- 料金の目安:税込みかどうか、金額が変わる条件(広さ・高さ・部品代など)もあわせて
- 代表のあいさつ・顔写真:経歴、資格、仕事で大事にしていること
- お客さんの声:Googleマップの口コミなど、実際にいただいた声
- 依頼の流れ:問い合わせ→現地確認→見積もり→作業→支払い
- よくある質問:見積もりは無料か、土日も来てもらえるか、など
- 連絡先:電話・LINE・メールのボタン、受付時間、対応エリア
電話番号のボタンは、一番下だけでなく、ページの途中にも置いておくと、読み終わる前に連絡したくなった人を逃しません。
載せる項目のチェックリスト
- 屋号(名刺・Googleマップと同じ表記)
- 業種と、一番頼んでほしい仕事
- 対応エリア(市町村名)
- 電話番号(押すとかかる形)と受付時間
- LINEやメールなど電話以外の連絡方法
- 施工写真(作業前・作業後)
- 料金の目安と、変わる条件
- 代表の名前・顔写真・ひと言
- 持っている資格や許可(あるものだけ)
- お客さんの声
- 依頼から支払いまでの流れ
- 支払い方法(現金・振込・カードなど)
- よくある質問
施工写真に、お客さんの家の表札や車のナンバー、周りの家がはっきり写っていないか確認しましょう。載せる前にお客さんに一言ことわっておくと、あとでもめずに済みます。
手順4 スマホで見て直す
職人さんを探すお客さんの多くは、スマホで見ています。パソコンの画面で作っていると、スマホで開いたときに文字が小さすぎたり、写真が切れていたりすることがあります。作業の区切りごとに、必ず自分のスマホで開いて確認しましょう。
スマホで確認するポイント
- 開いてすぐの画面だけで、何屋さんでどこの地域か分かるか
- 文字を拡大しなくても読めるか
- 電話番号を押すと、そのまま電話がかかるか
- LINEのボタンを押すと、友だち追加の画面が開くか
- 写真が横にはみ出したり、縦に伸びたりしていないか
- 表示されるまでに時間がかかりすぎないか(写真が重いと遅くなります)
自分のスマホだけでなく、家族の機種でも見てもらうと、画面の大きさの違いによる崩れに気づけます。年配のお客さんが多い仕事なら、文字は少し大きめにしておくと親切です。
人に読んでもらう
自分で書いた文章は、専門用語が混ざっていても気づきにくいものです。家族や知り合いに「これを見て、頼みたくなるか」「分からない言葉はないか」と聞いてみてください。「ケレン」「コーキング」のような言葉は、お客さんには通じないことがあります。
手順5 Googleマップとつなぐ
ホームページは、作っただけではなかなか見つけてもらえません。地元のお客さんの入口になりやすいのが、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)です。
- Googleビジネスプロフィールに登録する(まだの方はGoogleビジネスプロフィールの登録方法を参考に。自宅住所を出さずに登録する方法もあります)
- プロフィールの「ウェブサイト」欄に、作ったホームページの住所を入れる
- ホームページ側にも、屋号・電話番号・対応エリアを、Googleマップと同じ表記で書く
- ホームページに、Googleマップの口コミを紹介する(口コミのページへのリンクを置くのも手です)
あわせて、名刺・LINEのプロフィール・紹介サイトの店舗情報など、ほかの場所にもホームページの住所を載せておきましょう。
Googleが無料で提供している「Search Console(サーチコンソール)」に登録すると、自分のホームページがどんな言葉で検索されて表示されたかを確認できます。余裕が出てきたら試してみてください。
自分で作るときにつまずきやすいところ
型選びと色選びで止まる
見た目にこだわり始めると、何日たっても中身が進みません。型は「写真が大きく出るもの」「上から順に読めるもの」を選んだら、あとは中身を入れることを優先しましょう。色は、車や作業着、名刺の色にそろえると迷いません。
文章が書けない
いきなりきれいな文章を書こうとすると手が止まります。お客さんからよく聞かれることと、それにいつも答えている内容を、話し言葉のままメモに書き出してみてください。それを少し整えるだけで、十分に伝わる文章になります。
写真がそろわない・大きさがばらばら
ホームページ用に新しく撮るより、これまでスマホにたまった写真から、明るくて作業の前後が分かるものを選ぶほうが早いです。横向きか縦向きかをそろえるだけでも、見た目がかなり整います。
公開したあと放置してしまう
繁忙期に入ると更新が止まりがちです。「月に1回、施工写真を1枚足す」くらいの小さな決まりを作っておくと、続けやすくなります。電話番号や営業時間、料金が変わったときだけは、すぐに直しましょう。
ログイン情報が分からなくなる
ドメインと作成サービスは、別々のIDとパスワードになることがあります。どのメールアドレスで登録したかも含めて、1か所にまとめて控えておきましょう。
人に頼んだほうがよい場合の目安
自分で作るのは、お金がかからず、思い立ったときにすぐ直せるのが良いところです。一方で、次のような場合は、人に頼むことを考えてもよいかもしれません。
- 作り始めて1か月たっても、公開までたどり着けていない
- パソコンやスマホの細かい操作が苦手で、作業が苦痛に感じる
- 繁忙期が長く、更新する時間がほとんど取れない
- 求人ページや、たくさんの施工事例など、ページ数が多くなりそう
- 夜の作業時間を、見積もりや体を休める時間にあてたい
判断に迷ったら、「自分がかける時間」を数えてみてください。作るのに何十時間もかかるなら、その時間で現場に出たほうがよい場合もあります。頼む場合は、冒頭で紹介した費用の記事で、数年間の総額と作った後の手入れまで含めて比べてみてください。
まとめ
職人さんが自分でホームページを作るときは、先に「頼んでほしい仕事・地域・連絡方法」を決め、ドメイン、作成サービス、載せる内容、スマホでの確認、Googleマップとのつなぎ込みの順に進めると迷いにくくなります。凝った見た目より、何屋さんでどこの地域か、写真と料金の目安、連絡先がそろっていることが大事です。
まずは自分で作ってみて、時間が取れないと感じたら人に頼む、という順番でもかまいません。比べる材料として、ホームページを先に1ページ無料で試作するサービス(無料試作)もあります。


